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発表日  : 2000年 2月28日(月)

タイトル : 衛星デジタル放送サービスの高度化へ向けて







   −電気通信技術審議会において新たなCSデジタル放送方式を策定−

 郵政省は本日、「デジタル放送方式に係る技術的条件」(平成6年(1994年
)6月27日諮問第74号)のうち「12.2〜12.75GHzを使用する衛星デジタル放送
方式(34.5MHz帯域幅を使用するもの)の技術的条件」について、電気通信技 
術審議会(会長:西澤 潤一 岩手県立大学学長)から答申を受けました。 
 その概要は以下のとおりです。                    

 CSデジタル放送は平成8年(1996年)にサービスを開始して以来、各事業者の
普及活動の結果、加入者数は着実に増加の傾向を示しています。現在、3機の通信
衛星により放送サービスが行われ、さらに本年夏ごろには、新しい通信衛星の打ち
上げが計画されています。また、本年12月にはBSデジタル放送のサービスが開始
される予定です。

 このようなデジタル放送サービスの高度化への動きを踏まえ、比較的早い段階で
開発された技術を用いているCSデジタル放送について、そのより一層の発展のた
め、BSデジタル放送と同様の最新の衛星デジタル放送技術の追加採用により、B
Sデジタル放送との受信機の共用化等の促進を図ることが求められてきています。

 このため、昨年10月よりCSデジタル放送方式の拡充について、同審議会デジタ
ル放送システム委員会(委員長:安田 靖彦 早稲田大学教授)において審議が行
われた結果、今般、BSデジタル放送等とのメディア横断性に配慮された新たなC
Sデジタル放送方式が取りまとめられました。

 本方式の特長は次のとおりです。
1 高能率変調方式や伝送制御信号等の採用により、高品質、多チャンネル、高機
 能の放送サービスが可能となる。
2 BSデジタル放送と同様の伝送方式等の採用により、BSデジタル放送受信機
 とCSデジタル放送受信機を共用化することが容易となる。

 なお、郵政省では、本答申を受け、新たなCSデジタル放送方式の導入のための
技術基準等の所要の制度整備を進めていく予定です。

関係報道資料「CSデジタル放送方式の拡充      
−BSデジタル放送との受信機の共用化等を目指して−」
                          
(平成11年10月25日発表)              

                 連絡先:放送行政局 放送技術政策課
                     担当:小貫課長補佐、森下開発係長
                     電話:03−3504−4918
                    


別紙
 CSデジタル放送方式(34.5MHz帯域幅を使用するもの)の主な特長

1 高能率変調方式や伝送制御信号等の採用により、高品質、多チャンネル、
  高機能の放送サービスが可能                   

 本方式では従来のCSデジタル放送の変調方式(デジタル情報を電波に載せる方
式)に加えて、より高能率の伝送が可能な変調方式や悪天候に強い変調方式等を切
替えて使用できるようになる。

イメージ図

2 BSデジタル放送と同様の伝送方式等の採用により、BSデジタル放送受
  信機とCSデジタル放送受信機を共用化することが可能        

 BS用、CS用と2種類の受信装置を買い揃える必要が無く両衛星デジタル放送
を楽しめるようになり、視聴者の利便性が向上すると共に、衛星放送関連ビジネス
の新たな展開が見込まれる。

イメージ図


これからの衛星デジタル放送のイメージ図
CS/BS/地上デジタル放送方式の比較図
CS/BS/地上デジタル放送の受信機共有化のイメージ図
 CSデジタル放送方式(34.5MHz帯域幅を使用するもの)の主な概要 1)伝送帯域幅     34.5MHz   (TC8PSKを用いた場合の正味の情報ビットレート:約52Mpbs) 2)伝送路符号化方式  ア 変調方式    TC8PSK、QPSK、BPSKの切替え/併用可能  イ 誤り訂正方式    内符合:TC8PSKでは、トレリス符号化(符号化率2/3)        QPSKでは、畳込み符号化(符号化率1/2,2/3,3/4,5/6,7/8)        BPSKでは、畳込み符号化(符号化率1/2)        外符合:短縮化リード・ソロモン(204,188) 3)伝送フレーム構成     MPEG-2 TS(トランスポート・ストリーム)に外符号誤り訂正を付加し    た204バイトの信号(スロット)を変調方式の選択単位とし、かつ、48スロ    ットで構成するフレームを基本伝送単位とする。また、8フレームを1スー    パーフレームとし、エネルギー拡散、インターリーブの基本単位とする。 4)伝送多重制御信号(TMCC)     信号の内容:変調方式の種別、符号化率等に関する情報     TMCCの変調方式  :BPSK     TMCCの誤り訂正方式:短縮化リード・ソロモン(64,48)と                 畳込み符号(符号化率1/2)の連接符号 5)多重化方式     MPEG−2 Systems 6)限定受信方式     MULTI2 7)情報源符号化方式  ア 映像符号化方式: MPEG−2 Video    映像の表示方法:
     
     
有効画素数 
(横×縦) 
アスペクト比
         
走査方式
         
480i
720×483
16:9又は4:3
飛び越し
480p
720×483
16:9
順次
720p
1280×720
16:9
順次
1080i
1920×1080
16:9
飛び越し
1080p
1920×1080
16:9
順次

イ 音声符号化方式:
   MPEG−2 Audio AAC[Advanced Audio Coding]


軌道配置図
衛星の諸元の図
《用語の解説》
MPEG−2     
(Moving Picture Expe
rts Group)     
           
           
           
           
 MPEGとは、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議
(IEC)が共同で、国際電気通信連合(ITU)と連携をと 
りつつ国際標準化を進める通信、放送、蓄積メディアに 
関する汎用的なデジタル圧縮方式。          
 MPEG-2は、Audio(音声圧縮方式)、Video(画像圧縮 
方式)、Systems(多重化方式)の3つのパートからなる
。                         
リード・ソロモン符号 
 バイト単位で誤り訂正するブロック符号の1方式   
BPSK       
(Binary Phase Shift 
Keying)       
           
 2相位相変調                   
 デジタル信号の情報内容に対応して搬送波の位相を変 
化させる方式で、搬送波の位相変化を180度おきにとり、
単位時間に1ビットの情報を伝送するもの。      
QPSK       
(Quadrature Phase Sh
ift Keying)     
           
 4相位相変調                   
 デジタル信号の情報内容に対応して搬送波の位相を変 
化させる方式で、搬送波の位相変化を90度おきにとり、 
単位時間に2ビットの情報を伝送するもの。      
TC8PSK     
(Trellis Coded 8 Pha
se Shift Keying)  
           
 トレリス符号化8相位相変調            
 8相位相変調に際して、隣接する信号点に対して誤り 
訂正符号化を行い、伝送効率をQPSKよりも改善した 
方式で、単位時間に2ビットの情報を伝送するもの。  
畳込み符号化     
           
           
 情報源からの符号を順々に畳込みながら別の信号形式 
に改めて符号化し、伝送路で発生する誤りを訂正するこ 
とを可能とする方式。                
TMCC       
(Transmission and Mu
ltiplexing Configurat
ion Control)    
 現在用いられている変調方式の種別、誤り訂正の符号 
化率等に関する情報を受信機に伝える制御信号     
                          
                          



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