電波監理審議会(第848回)会長会見資料(平成13年5月16日開催)
平成13年5月16日
無線従事者規則の一部を改正する省令案について
(平成13年3月21日 諮問第11号)
(連絡先)
電波監理審議会について
総務省総合通信基盤局総務課
(吉野課長補佐、鈴木係長)
電話:03−5253−5829
諮問内容について
総務省総合通信基盤局電波政策課
(吉本検定試験官、山下係長、元村係長)
電話:03−5253−5876
無線従事者規則の一部を改正する省令案について
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電気通信術(和文電話)の廃止及び第三級海上無線通信士の養成課程の新設
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1 無線従事者国家試験の科目のうち和文通話表による電気通信術の廃止
無線従事者国家試験において、海上通信資格に課している和文通話表 (朝日のア、
いろはのイ等)による電気通信術の試験について、近年の無線通信技術の向上から廃
止の要望があった。
海上通信利用者に対して和文通話表による通信について、使用実態及びその必要性
を調査したところ、使用される機会が少なく、かつ、その使用は一部の分野の通信に
限られており、和文通話表による電気通信術の試験を実施しなくても支障が生じない
と判断されることからこの試験を廃止することとしたものである。
この改正によって、外国人の船員等が資格を取得する際の障壁が少なくなるものと
考えられる。
なお、本件については、昨年12月に規制改革委員会から見解が示され、検討が求
められているものである。
2 第三級海上無線通信士の養成課程の新設
外国政府が発給した国際電気通信連合の無線通信規則(RR)に規定する一般無線
通信士証明書に該当する資格(以下、「GOC資格」という。)等を有する外国人が、
これに相当する我が国の第三級海上無線通信士等の資格を容易に取得できる制度の創
設について要望があった。
これについて検討した結果、外国政府が発給したRRに規定するGOC資格等に相
当する 資格を有する外国人は、既に、RRがこれらの資格者に要求する、無線工
学、法規、電気通信術(欧文)、英語に関する知識・技能は有しているので、日本の
無線局を管理・運用するために必要な国内法規の知識を習得させることを目的とした
養成課程を受講することにより容易にこれらの資格に相当する我が国の資格を取得で
きるよう、第三級海上無線通信士の養成課程の新設など必要な措置を講ずることとし
たものである。
なお、本件についても、昨年12月に規制改革委員会から見解が示されており、検
討が求めらているものである。
1 無線従事者国家試験の科目のうち電話の電気通信術(和文)に関する規定を削除する。
無線従事者規則第5条第1項
2 無線従事者養成課程の対象資格に第三級海上無線通信士を追加する。
無線従事者規則第20条、別表第6号、別表第7号及び別表第7号の2
3 上記に伴う関係規定の整備
無線従事者規則第6条第2項、第30条第1項、第87条第2項第4号及び別表 第1号
公布の日から施行する。
外国人の資格取得
第三級海上無線通信士(GOCに相当)の養成課程
科目 |
無線工学 |
英 語 |
電気通信術 |
法 規 |
内 容 |
RR準拠 |
RR準拠 |
欧 文
RR準拠 |
和 文 |
条約等
RR準拠 |
電波法
我が国の無 線局を管理 運用するた めに必要な 知識
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今回廃止
外国のGOC取得の際に修得 養成課程で修得
平成13年5月16日
無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明
に関する規則の各一部を改正する省令案について
(平成13年3月21日 諮問第12号)
[携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入に伴う制度整備]
(連絡先)
電波監理審議会について
総務省総合通信基盤局総務課
(吉野課長補佐、鈴木係長)
電話:03−5253−5829
諮問内容について
総務省総合通信基盤局電波環境課
(矢島課長補佐、上川係長)
電話:03−5253−5907
無線設備規則及び特定無線設備の技術基準適合証明に
関する規則の各一部を改正する省令案
〜携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入〜
無線設備の電波が人体に好ましくない影響を及ぼさないように、その強度等に関し、
電気通信技術審議会から「電波防護指針」が答申されている。この電波防護指針の値
は、人体防護を前提としたものであり、無線設備の使用者の状況や設置環境条件等の
変動を踏まえて十分な安全率を考慮して定められた基準値である。このうち、放送局、
携帯電話基地局等に適用される電磁界強度指針は、既に電波法施行規則第21条の3
において、これらの無線設備から発射される電波の強さの基準値及び基準値を超える
場所へ一般の人が容易に出入りできないように柵等の安全施設の設置を行うことを義
務付けている。
電波防護指針のうち、携帯電話端末等、身体に近接して使用される無線設備に適用
する局所吸収指針(比吸収率(SAR))は、現在まで、無線機器の製造等における
ガイドラインとして活用されているところである。また、局所吸収指針の制度化に資
するため、平成12年11月に電気通信技術審議会から「人体側頭部の側で使用する
携帯電話端末等に対する比吸収率の測定方法」が一部答申され、比吸収率の統一的な
測定方法が定まったところである。
本件は、これらの答申を受け、人体側頭部のそばで使用する携帯電話端末等に対し、
電波防護規制を導入するため、必要な規定の整備を行うものである。(別紙1:人体
に対する電波防護に関する取組状況)
(1) 無線設備規則(第14条の2関係)
人体側頭部のそばで使用する携帯無線通信を行う陸上移動局及び非静止衛星に開
設する人工衛星局の中継により携帯移動衛星通信を行う携帯移動地球局の無線設備
に対し、比吸収率の許容値(2W/kg)を規定する。
(2) 特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則(別表3号関係)
(1)の技術的条件への適合性を確保するため、技術基準適合証明の特性試験の試
験項目に比吸収率を追加する。
公布の日から一年を経過した日から施行する。
所要の経過措置を設ける。
※ 参考
別紙2:生体電磁環境の動向
別紙1
人体に対する電波防護に関する取組状況
別紙2
生体電磁環境の動向
これまで50年以上の研究の蓄積を踏まえ、十分な安全率を考慮した基準値である
電波防護指針が我が国をはじめ世界各国で策定。
現在の知見では、電波防護指針以下の電波により健康に悪影響を与える証拠はない
という見解を国際機関をはじめ各国の専門機関が発表。
総務省としても、電波防護指針を満たせば安全性は確保されるものと認識。
放送局・基地局等に対する取組
放送局・基地局等から発射される電波の強さの基準値や、基準値を超える場所に一般
の人が容易に出入りしないよう柵等の安全施設の設置を義務付け(平成11年10月1日
施行)。
携帯電話端末等に対する電波防護規制の導入
携帯電話端末等から発射される電波の人体頭部への吸収量(比吸収率(SAR):生体
が電波にさらされることによって、単位質量の組織に単位時間に吸収されるエネルギ
ー量)を統一的に評価するための測定方法について、電気通信技術審議会に諮問(平
成12年5月22日諮問)。「人体側頭部の側で使用する携帯電話端末等に対する比吸収
率の測定方法」について一部答申(平成12年11月27日一部答申)。
携帯電話端末等に対する基準値を強制規格化するため、関係省令の一部改正案を本
日諮問。
諸外国においても、以下のとおり我が国と同様な取組が行われている。
(1) 米国
1996年8月から、FCC(Federal Communications Commission)においてSAR適合性
評価を義務化
携帯電話端末の試験項目にSARを追加して、SAR成績書の提出を義務づけて
いる。
なお、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)において、現
在、比吸収率の測定方法を策定しているところであり、本年4月に測定方法が完成
する見込み。
(2) EU
測定方法を技術基準に導入し、R&TTE指令に基づくSAR適合性評価を義務化予定
CENELECにおいて、現在、比吸収率の測定方法を作成しているところであり、本年
4月には測定方法が完成する見込み。なお、携帯電話等の適合性評価手続きを定め
るR&TTE指令には、人の健康と安全の保護に関する規定がある。
電波による人体への影響を科学的に解明するため、平成9年度より5ヶ年計画で
「生体電磁環境研究推進委員会」(委員長:上野照剛 東京大学教授)を開催。
活動状況
電波防護指針値以下の電波では健康に悪影響を及ぼす証拠がない、携帯電話の使用
に際して特に警戒する必要はない等を内容とした中間報告をとりまとめ。(平成1
3年1月30日公表)
平成12年度の研究計画
・ラットを用いた長期局所ばく露実験
・携帯電話使用と脳腫瘍等の関係を調査する疫学調査 等
平成13年5月16日
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海及び株式会社エヌ・ティ・ティ・
ドコモ関西所属特定無線局の包括免許
〜第三世代移動通信システム(IMT-2000)用端末〜
(平成13年5月16日 諮問第24号)〜
(連絡先)
電波監理審議会について
総務省総合通信基盤局総務課
(吉野課長補佐、鈴木係長)
電話:03−5253−5829
諮問内容について
総務省総合通信基盤局電波部
移動通信課
(山内無線局検査官、渡邊係長)
電話:03−5253−5895
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海及び株式会社エヌ・ティ・ティ・ド
コモ関西所属特定無線局の包括免許〜第三世代移動通信システム(IMT-2000)用端末〜
申請者 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ東海 |
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ関西 |
目的 |
電気通信業務用 |
開設を必要とする 理由 |
近年の移動体によるマルチメディア通信の需要増大に対応するため、 第三世代移動通信システム(IMT-2000)を構築して高度な移動通信サー ビスを効率的に提供し、更に陸上移動局を増設して新規申込みに応ずる 必要があるため。 |
通信の相手方 |
免許人所属の基地局又は陸上移動中継局若しくは免許人と業務委託契 約を締結した他の免許人所属の基地局及び陸上移動中継局 |
電波の型式ならび に希望する周波数 の範囲及び空中線 電力 |
5M00 G1A G1B G1C G1D G1E G1F G1X G7W 1947.6MHzから1957.4MHzまでの200kHz間隔の50波 0.25W |
最大運用数 |
3,200,000局 |
3,600,000局 |
運用開始予定期日 |
平成13年12月1日 |
平成13年12月1日 |
電波法第27条の4の規定に基づき審査した結果の概要は、以下のとおり。
(1)周波数の割当てが可能であること(電波法第27条の4第1号)⇒周波数の割当可能性
(2)総務省令で定める特定無線局の開設の根本基準に合致すること
(電波法第27条の4第2号)
電気通信役務が利用者の需要に適合すること −
最大運用数による運用の計画、能力を有すること │ 全ての条件を満足
他の電気通信手段より効率的、経済的であること │
電気通信事業の健全な発達、円滑な運営に寄与すること −
(参考1)
現行のPDC方式の携帯電話(9.6kbps)の200倍程度までの伝送速度が可能な
マルチメディア移動通信サービス。
端末を海外に持っていっても使用できるグローバルサービス。
第三世代移動通信システム(IMT-2000)のサービスイメージ
※ IMT2000:International Mobile Telecommunications 2000の略
※ PDC方式:日本の第二世代携帯電話において標準化したデジタル携帯電話システムの方式。
携帯電話端末等の無線局について、個別の無線局ごとに免許を受けることなく、一つの免
許により同一タイプの複数の無線局の開設を可能とした制度
(参考2)
IMT−2000に関するこれまでの経緯
平成11年9月27日 |
「次世代移動通信方式の技術的条件」について電気通信技術 審議会の一部答申 |
平成12年2月14日 〜 3月 6日 |
「第三世代移動通信システムの導入に関する方針案」、「第三 世代移動通信システムの無線局免許に関する方針案」についての パブリック・コメント募集 |
3月 1日 |
無線設備規則の一部改正(IMT−2000用設備の規定) |
3月21日 |
電波法関係審査基準の改正(IMT−2000に関する審査基 準の策定) |
3月27日 |
「第三世代移動通信システムの導入に関する方針」、「第三世 代移動移動通信システムの無線局免許に関する方針」の発表 |
4月 3日 〜 5月12日 |
無線局免許申請受付 |
6月 9日 |
IMT−2000用基地局及び陸上移動局の無線局免許につい て電波監理審議会への諮問・答申 |
6月22日 |
事業変更許可について電気通信審議会に諮問・答申 |
6月30日 |
無線局予備免許及び事業変更許可 |
平成13年3月27日 |
株式会社NTTドコモ(関東)所属特定無線局(IMT-2000用 端末)の包括免許 |