発表日 : 11月4日(火)
タイトル : 11/ 4付:国際情報通信基盤に関する共同技術プロジェクトの推進
21世紀に向けて、情報通信の活用による国際社会・経済の発展を図る観点か
ら、APECにおけるAPII(アジア・太平洋情報通信基盤)構想や、G7各
国による共同パイロットプロジェクト等、GII(全地球的情報基盤)構築への
取り組みが行われている。
このような状況の中、郵政省では国際的な情報通信基盤の構築に積極的に貢献
する観点から、今年度、以下の通り国際共同技術プロジェクトを実施する予定で
あり、これらの実験を通じて将来の高度な情報通信基盤利用環境が整備されてい
くことを期待。
1 APIIテストベッドプロジェクト
〜APECのAPII構想として、アジアで初めての国際共同実験技術
プロジェクト〜
|
APECのAPII(アジア・太平洋情報通信基盤)構想の枠組みの中で、
アジアで初めての国際共同実験技術プロジェクト。
本年2月に通信総合研究所関西支所(神戸市)に開設したAPIIテクノロ
ジーセンターを1つの拠点とし、以下のとおり各国との実験実施を計画中。今
後、さらにアジア・太平洋地域における実験相手国を、アジア地域を中心に拡
大予定。
【日韓実験】
[1]プロジェクト期間は2000年3月迄。
[2]郵政省と韓国情報通信部との間で、12のアプリケーション実験候補や
その具体的推進方法について局長級合意(本年9月)
[3]現在、次世代インターネットや電離層データ交換実験等を開始すべく、
実験内容詳細検討を実施。国際回線設定・実験装置調整等実験システムを
構築中(平成10年1月実験開始目途)。
(関係予定機関) 日本: 郵政省、通信総合研究所 等
韓国: 情報通信部、RRL(電波研究所)、
KAIST(韓国科学技術院) 等
【日シンガポール実験】
[1]プロジェクト期間は2000年3月迄を想定。
[2]がん領域の遠隔医療実験を開始すべく、国際回線設定・実験装置調整等
実験システムを構築中(本年12月実験開始目途)
(関係予定機関) 日本: 郵政省、通信総合研究所、厚生省、
国立がんセンター
シンガポール:TAS(シンガポール電気通信庁)、
NUS(シンガポール国立大学)
[3]この他、実験項目を拡大予定。
2 GIBN 注)(広帯域ネットワークのグローバルな相互運用性)プロジェクト
〜世界で初めて、国際ATM広帯域ネットワーク上でディジタル高精細T
V画像を相互に交換〜
|
注)GIBN(Global Interoperability for Broadband Networks):
「情報社会に関するG7閣僚会合(平成7年2月、ブラッセル)」におい
て合意された11の共同プロジェクトの1つ
【日カナダ実験】
国際ATM広帯域ネットワークを利用し、郵政省通信総合研究所とカナダ通信
研究所間で、以下の実験を実施予定(本年12月実験開始目途)
[1]ディジタル高精細TV(HDTV)のビデオ・オン・デマンドアクセス
実験
ディジタルHDTV対応のビデオ・オン・デマンドシステムを、国際A
TM広帯域ネットワークを経由して利用する、世界で初めての実験
|
[2]HDTV会議通信実験
ディジタル高精細TV画像をMPEG2注)方式で約50分の1に情報
圧縮(1.2Gbps→22.5Mbps)し、国際ATM広帯域ネット
ワーク上で双方向にやりとりする、世界で初めての実験
|
注)MPEG2:ディジタル衛星放送やディジタル高精細TV等の映像情報
圧縮用に開発された高能率符号化技術
3 国際情報通信基盤技術プロジェクト推進連絡会
〜国際遠隔医療実験等を実施のため、厚生省等関係省庁・機関と連携〜
|
[1]APIIテストベッドプロジェクト、GIBNプロジェクトの円滑な推
進を図るため、国内の実験参加機関・実験項目・国際回線の帯域割り当て
の調整等を行う。(本年10月16日設置)
[2]関係省庁・機関の国内専門家により構成。
(郵政省、通信総合研究所、厚生省、国立がんセンター、通信・放送機
構、(財)テレコム先端技術研究支援センター、(財)マルチメディア振
興センター 等)
連絡先:郵政省通信政策局技術開発推進課(担当:須賀補佐)
電 話:03−3504−4111 (内)8122
日韓APIIテストベッドプロジェクト実験候補一覧
分類
|
実験項目
|
実験内容
|
次世代
インターネッ
ト技術
|
資源予約型インタ
ーネット実験
|
インターネットマルチメディアアプリケーショ
ンのための帯域保証バックボーンネットワーク
の構築
|
ネットワーク品質
測定手法
|
トラフィックとリンクの性能向上のためのシス
テム開発
|
マルチキャスト型
インターネット実
験
|
遠隔教育、テレビ会議、ブロードキャスト等の
高性能アプリケーションのためのマルチキャス
ト・バックボーンシステムの開発
|
ネットワーク上で
の階層的情報蓄積
|
高能率ネットワークを含むデータ通信ネットワ
ークの運用のためのネットワークデータ蓄積技
術の開発
|
ATMネットワー
クの相互接続
|
ITU、ATMフォーラム標準に基づくAPI
Iテストベッド上での一般的試験モデル(物理
層、ATM層)の構築
|
ギガビットLAN
間の国際接続実験
|
グローバル・ギガビット・アプリケーションの
開発、及び高速ATM回線で接続された超高速
LAN間通信実験
|
研究・分析用
データ交換
|
リアルタイムVL
BI
|
韓国の天体観測所の14mアンテナと、通信総
合研究所の34mアンテナを接続して行うリア
ルタイムVLBIによる測地実験等
|
電離層データ交換
|
電離層内での電波の伝搬特性研究のためのデー
タ交換
|
遠隔医療
|
脊椎外科分野にお
ける遠隔医療
|
放射線画像(X線、CT、MRI)の伝送、遠
隔会議による遠隔医療デモンストレーション
|
がん領域における
遠隔医療
|
遠隔病理学システム、遠隔会議システム、がん
データベースの構築
|
遠隔会議
|
分散バーチャル・
リアリティ会議
|
バーチャル・リアリティシステムに基づく会議
環境の確立
|
ATMベースの高
品質TV会議
|
ATMベースの高品質バーチャル・リアリティ
会議システムの実証
|