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1． 設立及び目的

世界保健機関（World Health Organization)は、1946年、ニュ−ヨ−クで開かれた国際保健会議が採択した世界保健憲章（1948年4月7日発効）によって設立された。「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」（憲章第1条）を目的に掲げている。

2．主な組織

（1）世界保健総会(World Health Assembly)

WHOの最高意思決定機関であり、全加盟国（97年5月現在191ヶ国と2準加盟国）で構成、毎年1回開催。事業計画の決定、予算の決定、執行理事国の選出、事務局長の任命等を行う。

（2）執行理事会（Executive Board)

総会で選出された32ヶ国が推薦する執行理事により構成。執行理事会の任務は、保健総会の決定及び政策の実施、保健総会への助言又は提案など。（我が国は仲村英一執行理事を派遣している。）

（3）地域的機関（regional organization）

総会が定める地区（アフリカ、アメリカ、南東アジア、ヨ−ロッパ、東地中海、西太平洋）に配置され、地域委員会と実施機関である地域事務局からなる（我が国は西太平洋地域に所属）。

3．事務局（Secretariat)

（1）本部はジュネ−ヴ

（2）事務局長(Director-General)は、執行理事会の指名（非公開会議）に基づき、総会が任命。任期は5年、再選は1回のみ可能。88年5月の総会において、中嶋宏博士が第四代事務局長に任命され、93年5月の総会において再選された（任期は98年7月まで）。

（3）本部(1,371)、地域事務局(1,713)、国事務所(744)の合計職員数3,829名（96/01/01現在）

（4）予算・財源
　1996/97年一般会計予算は8億4265万ドル（2年間の総額）
　一般予算の財源は加盟国の義務的負担である分担金により賄われる。

分担率上位10ｹ国リスト

国　名	分担率		分担金額（千ドル）
	'96(%)	'97(%)	'96	'97
米国	25.00	25.00	107,389	107,389
日本	15.17	15.38	63,239	63,239
ドイツ	8.89	8.91	36,733	36,733
フランス	6.30	6.31	27,516	27,516
英国	5.23	5.23	21,560	21,560
イタリア	5.11	5.16	21,278	21,278
ロシア	4.37	4.20	17,822	17,822
カナダ	3.05	3.06	12,591	12,591
スペイン	2.32	2.34	9,643	9,643
ブラジル	1.59	1.59	6,614	6,614

4．主要事業項目

（1）医薬品、食品・栄養

（2）熱帯病、結核、ハンセン病

（3）新興・再興感染症、伝染病

（4）人材育成、途上国支援

（5）環境保健、化学品安全

（6）家族保健、出産

5.我が国のWHOに対する協力概要

我が国はWHOの活動に対し、財政面、人材面の協力を行っているほか、我が国が実施する技術協力の現場において、WHOとの協調・連携を図っている。

（1）財政面では、義務的拠出である分担金の他、プログラムを限定した自発的拠出金による支援を行っている。

（2）人材面では、ジュネーブの本部や西太平洋地域事務局（マニラ）などに合計42名の日本人職員を派遣している。

（3）技術協力については、JICA（国際協力事業団）を通じた各種のプロジェクト等で、WHOとの協調・連携を図ることにより、より効率的・効果的な技術協力を実施している。 　

例：a.ラオス公衆衛生プロジェクト 　　

　　b.ポリオ関連技術に関する研修 　　

　　c.ポリオ根絶に対する機材供与等の協力

また、厚生省ベースでは、WHOの各種技術セミナー等への講師・専門家派遣やWHOが派遣するフェローの受け入れ等の協力を行っている。

（参考） 　　住所：World Health Organization 20, 　　Avenue Appia, CH-1211 Geneva 27 　　TEL：+41-22-791-2111 　　FAX：+41-22-791-0746 　　ホームページ：http://www.who.ch/

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