療護センターの紹介/岡山療護センター
概要 |
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設立の経緯 |
自動車事故による脳損傷または脊髄損傷によって、重度の後遺障害が残り、寝たきりの状態にある障害者を抱えた家庭のご家族の精神的、肉体的及び経済的な苦しみは極めて大きなものがあります。こうした負担の軽減を図ることにより、被害者救済の充実を期すため、自動車事故対策センターでは、脳損傷者には昭和54年8月から、脊髄損傷者には56年10月から介護料の支給をしてまいりました。 しかし、こうした被害者を抱える家庭には、「病院側の都合で退院した」、「介護のため家庭内の他のことがほとんどできない」「介護に疲れた」、「家庭の間がうまくいかない」などの事情が明らかになってきました。こうした介護の困難さは、ひいては家庭崩壊につながる緊急問題として提起されました。検討が行われた結果、こうした家庭問題を解決するとともに、十分な治療と看護を行う施設を設置・運営することとし、昭和56年第94回国会に自動車事故対策センター法の一部を改正する法律案が提出され、同年6月同法の一部改正が行われ、自動車事故による脳損傷の重度後遺障害者を収容するための療護施設の設置・運営がセンター業務に追加されました。これにより、昭和59年2月千葉市に全国第一番目の療護施設「自動車事故対策センター付属千葉療護センター」を開設、平成元年7月仙台市に二番目の施設として「東北療護センター」を開設し、良好な成果を上げてきました。 こうした業績を踏まえ、また、中・四国および、兵庫県西部の地域における療護施設に対する強い要望に応えて、全国三番目の療護施設を岡山市に設置することとなり、平成3年度から5年度に用地の確保、建物の建設を行い、平成6年2月「岡山療護センター」として、業務を開始しました。 「岡山療護センター」は、東北療護センターと同様に運営を委託する方式とし、脳神経外科他17診療科を有して永年の経験と優れた実績がある、社会福祉法人恩腸財団済生会支部岡山済生会・岡山済生会総合病院へ運営を委託しております。 |
特色 |
当療養センターは、入院患者の社会復帰の可能性を追求しながら、適切な治療と看護を行うことを目的とする脳損傷の重度後遺障害者専門の病院であって、千葉療護センター・東北療護センターにつぐ第三番目のものです。このような施設は世界的にも他に例を見ません。 入院患者のわずかな意識の回復の兆をもとらえ、効果的な治療及び看護を行うため、病棟に病室の仕切りを最小限にしたワンフロアシステムを取り入れ、集中的に観察できるようにしています。さらに、ベッドの間隔、訓練場、浴室などのスペースも十分に確保しています。 また、患者の回復に向けての環境づくりとして、季節や1日の移り変わりが感じられるように、大きな窓のそばに全てのベッドを配置するとともに、日光浴、緑地の散歩などが行えるようにサニーテラスや緑地が設けられています。そのほか、夏祭りやクリスマス会等の行事を行っています。 患者に対し、よりよい治療と看護を行うため、全てのベッドサイドに総合医療パネルを備えています。 看護体制は同じ看護婦が一人の患者を継続して受け持つプライマリー・ナーシング方式を導入しています。 |